火消し壺についてそんな思いはありませんか。
キャンプギアの中では少し地味な存在の「火消し壺」。
その名前から、ただ火を消すだけの道具で、あまり必要なさそうに思われがちです。
しかし火消し壺は火を消すだけの道具ではなく、「安全」「時短」「節約」という実はすごい魅力がたくさんつまった超お役立ちギアなのです。
この記事ではそんな焚き火の隠れマストアイテム「火消し壺」について、正しい火の消し方から火消し壺を使った場合のメリットを全てお伝えします。
私も焚き火をこよなく愛するキャンパーの一人として、焚き火によって起こる火事やケガを少しでも減らしたいという願いからこの記事を書きました。
これを読めば火消し壺を使う事の重要性がお分かりいただけ、あなたの焚き火はもっと安全でエコなものになること間違いなしです。
知らなきゃ損する火消し壺の意外な魅力やオススメ火消し壺もご紹介しているので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
【正しい火の消し方】マナーやルールを守って安全に火を消そう
まずは正しい火の消し方やルールについてをお話しします。
とっても楽しい焚き火ですが、火を使うので正しい知識をもって片付けをすることが大事です。
消火方法や片付け方を誤ってまうと、以下のような事態になることも。
大きな事故につながる
知らない間に自然を壊してしまう
他の方に迷惑をかけてしまう
など、こういったことは「知らなかった」では済まされません。
そんな事にならないために全ての人が安全に気持ちよくキャンプができるよう、ここで消火の2つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
ポイント1:火は簡単に消えるものではない
火の消し方は大きく分けて3つです。
- 完全に火が消えるまで燃やしきる
- バケツなどに水を入れた状態で炭を水につける
- 火消し壺に炭を入れて消火する
まず完全に燃やしきる方法ですが、思ったよりも時間がかかります。
燃料となる炭や薪の量、大きさにもよりますが、だいたい1時間くらいは必要です。
帰る時間や寝る時間に合わせて、その1時間前には炭や薪の投入をしないようにし、消火を待ちましょう。
燃料をたくさん使っている場合はもっと時間がかかります。
私は冬に7人で焚き火をした際、たくさんの炭を使っていたため消火にすごく時間がかかったことがあります。
帰る3時間前に消火をするようにしましたが、それでも消火できず、火は小さくなるので暖も取れず、なかなかつらい経験でした。
また、もう1つ覚えておいてほしいのが、火は消えたように見えても実は芯の部分はまだ燃えているという事です。
見た目で判断するのではなく、手を近づけて冷えているかを確認し、触れるようになるまで待ちましょう。
ポイント
水をかける行為はとっても危険です。
水蒸気が上がりヤケドをしてしまったり、周りの人や近隣のキャンパーにも迷惑になるので絶対にやめましょう。
※焚き火台やグリルが変形したり破損してしまう可能性もあります。
ポイント2:炭や灰を地面に埋めるのはNG
大体のキャンプ場では炭や灰を地面に埋めることは禁止されています。
灰は肥料に使われたり、土に良い影響を及ぼすこともありますが、良い成分でも過剰に摂取することは逆に悪影響になってしまいます。
また、キャンプ場以外でも熱い灰を土に埋めてしまうと知らずに他の人が裸足で歩き、ヤケドを負ってしまうなど、とても危険です。
以上の2つのポイントを押さえて消火や片付けまでしっかり行う際に火消し壺はすばらしい力を発揮してくれます。
それではさっそく火消し壺とはどんなアイテムなのか、使い方や注意すべき点を見ていきましょう。
火消し壺ってどんなもの?
使い方はとっても簡単です。
火が付いたままの炭や薪を壺の中に入れ、ふたを閉めておけば勝手に消火されるという何とも単純なアイテムです。
ふたをすることで空気中の酸素が徐々に減り、酸欠状態になった燃料は燃えることができず、そのまま消火されるという仕組みです。
また、入れた炭をそのまま持ち帰り、保管もできます。
素材は主に金属製(ステンレス、スチール、アルミ)と陶器製の2種類。
それぞれ特徴があり、サイズやデザインも様々なので用途によって選ぶようにしましょう。
メモ
~選ぶ際のポイント~
素材
陶器製の物は趣があり外側が熱くなりにくいですが比較的重いのと、持ち運ぶ際の持ち手が付いてないものがほとんどです。
お家での焚き火など、あまり持ち運ぶ機会がないなら陶器でも問題ないでしょう。
軽くて持ち運びが強いやすいのはアルミやスチール。耐久性を求めるならステンレスがおすすめです。
サイズ
ソロで焚き火をすることが多いなら持ち運びがしやすく場所を取らない小さめがいいですね。
大人数やファミリーキャンプで燃料を多く使う場合は多少場所をとっても、大きめの物を選ぶのが良いでしょう。
全ての燃料を一気に入れることができるので片付けも早くなります。
足つきか、持ち手やふたの素材は熱くなりくいものか
壺自体ではなくその周りのスペックもチェックしておきましょう。
私は置き場所に困らない足つきがお気に入りです。
また持ち手がシリコンやコルク、ゴム等熱の伝わりにくい素材ができている物なら、まだ中身が熱い状態でも移動ができるので安心です。
火消し壺を使う時の注意事項
炭を入れた後は壺がとっても熱くなるのでしばらくは触らないようにしましょう。
底も熱くなるので足のついていない壺なら燃えたり溶ける可能性のある芝やギアの上には置かないようにしましょう。(コンクリート、砂地、砂利なら安心です)
最初はふたは完全に閉めず、冷めきてからしっかり閉めるようにしましょう。
※最初にふたを完全に閉めると熱で膨張し、ふたが開きづらくなってしまう可能性があります
炭を入れた後1時間位は開けないようにしましょう。(せっかく酸欠状態になっているところに再度酸素が送り込まれ、消火が遅くなります)
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火消し壺について、簡単にどんなものかお伝えしましたが、ここからが本題。
次は火消し壺の魅力について、そのすばらしい利便性と使うことのメリットを私の実際の経験も合わせてお伝えします。
火消し壺を使うメリット
私が火消し壺をオススメする理由は大きく分けて3つです。
それぞれ詳しくお伝えしますね。
とにかく安全に消火ができる
最初の火の消し方でもお伝えしましたが、消火は目視では確認できません。
私は以前、そろそろ消えたかなと思い、炭を捨てようとした時に「実はまだ火が残っていた」という事がありました。
そのまま炭捨て場に捨てていたらと思うとぞっとします。
火消壺があればそのまま炭を持ち帰れるため、そんな心配もなく、持ち帰る際はしっかりふたを閉めておけばこぼれたり再燃するという事はないので安心です。
水を使わず消火もできるため、手袋やトングで壺に入れれば水蒸気でヤケドすることもなく周りに迷惑をかけることもありません。
消火しながら片付けができる
ここも私にとって重要なポイントです。
消火の際、何かの拍子に再燃してしまう可能性があるので、燃やしきる場合も炭を水につける場合も、必ず誰かが最後まで見ておく必要があります。
そうなるとその間は片付けができず、一人だと火が消えたのを確認してからテントやタープの片付けに取り掛かるので片付けにとても時間がかかります。
特に私は最後まで焚き火を楽しみたいので、終了する時間から逆算して焚き火の量を減らしていくというのはあまり好きではないため出来るだけ消火と片付けは同時にやりたい派。
そうなるとやっぱり火消し壺が重宝します。
就寝時間が決まっているキャンプ場で時間までに消火が間に合わなかったり、冬に寒い中ただただ消火を見守ったり(最初にもお伝えしましたがかなりつらいです)
火消し壺を使うと、そんなことから解放されて片付けの時間を圧倒的にらくにしてくれます。
残った炭の再利用で経済的
火消し壺を使わず消火を待つ場合、残った炭は完全に燃やしきるので次使うことはできません。
私はこれをとてももったいないと思っていました。
水につけて消火する場合は、しっかり乾かせば再利用はできますが、時間がかかり、だいぶ手間です。
しっけてしまうと使えないという難点も。
火消し壺があれば炭をそのまま持ち帰って保管しておけばいいだけなので、しっけることもなく、まだ使えるのに灰にする必要もないのでとっても経済的。
また一度火がついた消し炭は火が付きやすいので着火も簡単という次回の焚き火へのおまけメリットまでついてきます。
参考
消し炭のすごいところ
次回の火起こしの際、着火しやすくなる
消臭剤になる
除湿剤として使える
肥料になる
オススメ火消し壺3選
こんなにメリットたくさんな火消し壺、どんな商品があるのか気になりますよね。
価格も意外にリーズナブルなものが多いので、今回は低価格のオススメ火消し壺を3つご紹介します。
グリーンライフ(GREEN LIFE) 火おこし兼用火消しつぼ HOT-150
まずは火消し壺と火起こし器がセットになったこちらの商品。
価格も2000円以下と超お手頃で、とっても便利な人気アイテムです。
こんなに低価格なのにしっかりしており、長く使えるのでまず火消し壺を験してみたい方にとってもオススメです。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) 大型火消し壺 火おこし器セット バーベキュー用
こちらも火起こし器がセットになっている商品です。
値段は3300円なのでグリーンライフの物よりは高いですがサイズが大きく、なんといっても足つきなところがポイント。
私がいつも使っているのもこの商品です。
火起こしも簡単、足つき、持ち手つきで使い勝手も良く、買って良かったと心から思える大満足の一品です。
HOMCA アッシュ サック
こちらは袋タイプです。
ソロキャンプで焚き火をすることが多い方や荷物を少なくしたい方にはこちらがオススメ。
サイズは小さめなので燃料を多く使う場合はやはり壺タイプが良いですが、少ない燃料で小さな焚き火を楽しむ方は火消し壺の代わりにこんな火消しグッズを持っておくと便利です。
火消し壺を自作するという手もあります。自作したい方はこんな動画もチェックしてみてください。
焚き火の消火に火消し壺を!実は隠れた魅力がいっぱいの火消壺とは?:まとめ
このように火消し壺を使う事にはたくさんのメリットがありますが、大きく分けると以下の3つです。
- とにかく安全に消火ができる
- 消火しながら片付けができる
- 残った炭の再利用で経済的
最初にお伝えしたように焚き火の消火は本当に重要です。
焚き火を愛するすべての人が安心して気持ちよくキャンプをするために、ぜひ使ってほしい火消し壺。
あなたも火消し壺を使ってもっと安全で経済的なキャンプライフを楽しんでください。