いざ焚き火をしようと薪を入れてもスムーズに火が回らなかったり、薪を入れすぎて火が消えてしまうこともありますよね。
しかし、火が燃えるための構造を知っていることで、簡単に炎を作ることができますよ。今回は、燃えるための構造から焚き火に必要な物、効率的な薪の組み方をみていきましょう。
目次
薪の組み方に工夫が必要な理由
まずは、火が燃えるための構造をおさらいしてみましょう。
燃えるために必要な物
可燃物 | 着火 | 酸素 |
この3つが連鎖して火が生み出され、どれかが欠けると火が続かなくなります。すなわち、薪の組み方でいかにこの3つを取り込むかが重要になってきます。そのために、薪の組み方を工夫しましょう。
さらには、薪の組み方によって、バリエーションのある火が作り出せるのです。炎を楽しみたいときには大きな火にしたり、調理のために火を小さくしたりなどができます。
薪を組む時に多い失敗は、空気の軌道の確保です。私は、薪をガンガン入れてしまい、火が消えてしまうことがありましたが、薪の間に隙間を作るようにしたら、きちんと燃えるようになりました。
焚き火に必要な物
ここでは焚き火に必要な材料と道具を確認しましょう。
材料
着火剤
新聞紙などの燃えやすい物
薪(マツやスギ、ヒノキなどの針葉樹)油分を含んでいるため燃えやすく、早く燃え尽きてしまいます。
薪(ナラやブナなどの広葉樹)燃えにくいですが、火が付くと長く燃え続けます。
道具
革の手袋(ヤケドや薪のささくれでケガをしないように必要です。)
トングや火ばさみ
マッチやチャッカマンなどの火を付ける道具
鉈(薪が大きすぎる時に割るのにあると便利です。)
あとは、うちわなどの風を送るものがあると便利ですよ。
薪の組み方
それでは実際に薪の組み方を見ていきましょう。今回は焚き火台があるときとないときの薪の組み方を別々にご紹介していますが、焚き火台に薪を組むことも可能ですし、焚き火台シートを敷いてその上に薪を組むこともできますので、参考にしてください。
焚き火台があるときの組み方
焚き火台があるときは、台の形状に合わせて組みましょう。販売されている焚き火台は、空気を取り入れやすい構造になっている場合があります。最大のポイントは薪を入れすぎず空気が流れる構造で組みましょう。
- 着火剤を中央に置きます。着火剤は固形タイプとジェルタイプがあり、油やアルコールが練りこまれているため、一瞬で燃えます。今回は固形タイプの着火剤で説明させて頂きます。
- 着火剤の上に燃えやすい物を置きます。新聞紙などの紙類を使用するときは、中に空気が入り込むように、くしゃくしゃに丸めてください。
- 紙類の上に小枝などを置きます。燃えやすい薪を選んでくださいね。
- 横から見たとき三角形になるように薪を組み上げていきます。このとき、下から空気が入って上昇気流ができるようなイメージで組み上げてください。
- 組み上げてから火をつけるようにすると、落ち着いて組み上げることができます。なれるまでは、組み上げてから火をつけることをオススメします。
次の動画では、焚き火台に薪を組む方法を数種類、紹介されていますので、参考にしてください。
焚き火台がないときの組み方
こちらでは焚き火台を使わない場合の組み方をご紹介します。地面に直接焚き火をしていい地域か確認してから行いましょう。
山型
一番オーソドックスな組み方で、合掌型や円錐型、ティービー型とも呼ばれます。
- 着火剤を真ん中に置きます。
- 着火剤の周囲に焚きつけにする細い枝から順番に円錐状に組み合わせます。
- その周りを太い枝を組み合わせます。
次の動画で実際に山型の薪の組み方を見てみましょう。
この組み方は薪の消費量が多いですが、立ち上がる炎が美しく見えます。ゆったり腰を落ち着けてコーヒーを飲みながら眺め、焚き火の音も楽しめますよ。
井桁型
井戸の枠のように薪をくみ上げていく方法です。
- 薪を2本、間をあけて並行に置きます。
- その薪の上に直角に薪を2本、間をあけて並行に置きます。
- 1,2を交互に積み重ねます。
- 内部には着火剤と焚きつけ用の細い枝や薪などを立てかけます。
次の動画では焚き火台に井桁型を組んでいます。是非参考にしてください。
下から着火すれば一気に炎が上がり迫力があります。火力がコントロールしにくいので調理には向いていませんが、キャンプファイヤーなどイベント向きで炎を楽しみながら会話も盛り上がりますよ。
トップダウン型
この組み方は、濡れた地面や雪の上など、火が焚けない環境で役に立ちますので、覚えておくと便利です。
- 地面に太い丸太を2本、間をあけて並べます。
- 並べた丸太の上に直角に薪を並べ、土台を作ります。
- 土台の上に焚きつけ、燃やすための薪を並べて着火します。
次の動画では実際に雪の中で、トップダウン型の組み方をご紹介していますので、是非ご覧ください。
このトップダウン型は、薪の上から火を付けますので、静かにゆっくり燃えます。薪の消費が少ないのと長時間燃えるのが利点です。雪の上でも焚き火ができるのは、さらに面白味がありますよね。
焚き火の後片付け
焚き火を楽しんだ後、片付けはマナーです。火災などの事故にならないようにしましょう。
1:火を消す時間を逆算して燃やし尽くすようにしましょう。
直火で焚き火をした場合は特に慎重に消火し、燃え残った木はゴミとして持ち帰りましょう。
ポイント
燃やし尽くせなかった場合
・薪や炭を叩いたりしてバラバラにして離しましょう。燃え尽きるまでの時間を短縮できます。
・缶や火消しツボに入れて消火する。密閉することで消火できます。その際容器が熱くなりますのでヤケドなどに注意してください。
・どうしても早く消したい場合は、たっぷりの水に薪を1本ずつ浸けて消火しましょう。その際、燃えていない部分にも水が染み込むまで浸けましょう。
・水で一気に消火するのは絶対やめましょう。一気に水を掛けてしまうと灰と水蒸気が大きく立ち上り危険です。焚き火台も変形してしまいます。
2:燃え尽きて灰になったら指定の場所に捨てるか、自宅に持ち帰りゴミとして廃棄しましょう。
関連
こちらに詳しく処理の仕方を書いてますので、参考にしてください。
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焚き火をしたあと炭の処理ってどうしてる?正しい処理方法はこれ!
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3:使用後の焚き火台は冷えてから水拭きし、乾燥させてから収納袋に入れましょう。拭かないで片付けると灰や炭で汚れてしまいますよ。
焚き火で失敗しない薪の組み方!簡単に炎を楽しみましょう!:まとめ
薪を入れてもスムーズに火が回らなかったり、火が消えてしまう原因がわかりましたか。空気の軌道の確保です。構造を知ることで火を付けることが簡単になりましたね。薪を正しく組むことによって炎を楽しむことができます。
ぜひ様々な組み方をして、ベストな炎を作って楽しい焚き火をしてみてください。