そんな疑問にお答えします。
トングとは、BBQでなどで肉などの食材を掴(つか)む時に使用するキッチン道具であり、焚き火で使用できるとは思いもよりませんでした。
そこでキャンプに詳しい友人に、焚き火に使用できるトングの事を聞いたところ、こう答えてくれました。
「確かに、焚き火で使用できるトングもあるよ。」
「しかし、食材を掴むトングと、焚き火に使うトングは全く違うものだからね。」と。
トングと言う1つの道具でも、「焚き火で使用するトングと、食材を掴むトングは違うもの」と、初めて知りました。
そこで今回は、焚き火に使用できるトングについて、またトングとはどういうアイテムなのかを紹介しています。
最後まで読み進めていけば、トングについて正しい知識を得られ、トングの使い分けができるようになっている事でしょう。
ゆっくり読み進めて、トングについて理解を深めて下さい。
目次
焚き火に使うトングはどんなもの?
焚き火に使えるトングとは、どのようなモノなのでしょうか。
私たちが普段使っているトングと、何が違うのでしょう。
考えれば考えるほど、わからなくなってきます。
ここでトングに関する疑問を解消して、スッキリしましょう。
トングとは何か?
トングとは一般的に、パン、ケーキ、氷などを挟む道具の事をいいます。
パン屋さんやお菓子屋さんは、陳列棚から商品を取る時に使い、パスタ屋さんならパスタを盛り付ける時によく使います。
トング=食材を掴(つか)むアイテムですが、拾う、炒めるなど用途に応じて先端の形状が様々です。
トングに関する豆知識
「トング」の語源は英語です。
トングをそのまま英語で書くと「tong」
しかし、このままですと英語圏では通じません。
トングは、分かれた2本の先端を合わせるようにして食材をつまむ構造になっています。
英語では、このような2つのものを組み合わせた構造の物には、複数形の「s」を付けて表現する事が多いので、トングは英語で「tongs」となります。
余談になるのですが、「トングはモノを掴む道具として紀元前から使用されていた。」と、記載された書物もあるそうです。
「意外に少ない⁉」トングの種類は2種類だけ
トングの種類は、2種類しかありません。
食材を掴むトングか、食材以外のモノを掴むトングかです。
順番に説明していきますね。
食材を掴むトング
文字通り、食材を掴むトングです。
食卓であればパスタやサラダ、キャンプではBBQなのでお肉や野菜、お魚などを掴む時に使用します。
食材を掴むトングは、食材の掴みやすさを重要視して、先端は大きめ、柄の部分は短めに作られています。
食材以外のモノを掴むトング
焚き火に使用する薪、ゴミや空き缶などを掴むときに使用します。
食材以外のモノを掴むトングは、安全性・利便性を考慮して、食材を掴むトングより柄の部分が長くなっていることが特徴になります。
食材以外のモノを掴むトングは先端がギザギザになっていて、このギザギザがモノを滑らず掴むことができます。
同じトングでも特徴が異なるので、用途に合ったトングを選ぶことが大切です。
「トング」と「火ばさみ」の違い
キャンプをしている人なら「火ばさみ」という言葉を、耳にしたことがあると思います。
結論からいうと、トングと火ばさみは同じものです。
火ばさみは、トングを日本語に訳したものになります。
地方によっては、火ばさみの事を火箸(ひばし)と言う所もあります。
焚き火に使用できる道具を、「トング」と言ったり「火ばさみ」と言ったり、ややこしいですね。
ここでは、食材を掴む道具を「トング」。
薪や炭などを掴む道具を「火ばさみ」としておきましょう。
トングを選ぶ5つの条件
トングを選ぶ時に、チェックしなければいけない5つの項目があります。
5つの条件に沿ってトングを選んでいくと、トングという掴むだけの道具が、神道具へと変貌します。
早速、5つの条件について詳しく見ていきましょう。
お手入れしやすいこと
トングは基本的に、料理や食材を扱う道具です。
いざ使おうと思っていたら、トングの先端から嫌な臭いがしたり、洗い方が不十分で先端がカビいたという事もありえます。
そんなことにならないためにも、また衛生的に使うためにも、お手入れのしやすいものを選ぶのが最も重要なポイント。
「継ぎ目のないシンプルなトング」を選ぶのがおススメです。
複雑な形状をしているトングや、先端部と柄を別々のパーツで繋ぎ合わせているトングは、キレイに洗ったつもりでも、細かな隙間に汚れや水分が残ってしまう場合があります。
ステンレスやシリコンは耐熱性に優れていますが、ナイロンは食洗機の熱で溶けてしまう場合もあります。
折角、食洗器でトングを洗ったのに、先端がとけて大変なことに。
こんなことにならないためにも、事前に食洗機対応かどうかをしっかりチェックしましょう。
トングの素材で用途を選ぶ
トングの先端は主に、3つの素材で構成されています。
ステンレス製
シリコン製
ナイロン製
1点1点詳しく解説していきますね。
ステンレス製
熱伝導率が低く、熱に強いことが特徴です。
錆びにくく、丈夫で安価。
また、匂いもつきにくいのでキャンプに使用するなら、ステンレス製が一番のおススメ。
販売されているトングのほとんどがステンレス製で、100円ショップでもよく見かけます。
万能と思われるステンレス製のトングですが、1点だけ注意ポイントがあります。
金属製で硬いため、フライパンや鍋などを傷つけやすいということです。
シリコン製
取っ手部分はステンレス、トングの先にシリコンを使用しているタイプのトングになります。
シリコン製の特徴は耐熱性・弾力性に優れていることです。
弾力性に優れ、素材が柔らかいので、フライパンや鍋などを傷つけません。
ステンレス製に比べ、シリコン部分がデザイン的にかわらしい印象を与えるため、キッチン周りのインテリアとして最適です。
ただし、ずっと使い続けているとシリコン部分が硬化して、ひび割れしてくることも。
ひび割れてくるとシリコンの寿命ですので、買い替えを検討してください。
ナイロン製
ナイロン製のトングは、シリコン製と同じく調理器具を傷つけず、適度な硬さを持っていることが特徴です。
表面がツルっとしていて汚れが落ちやすいため、お手入れは3タイプの中で一番簡単。
ナイロン製トングの中には、耐熱加工を施しているものと、施していないものの2パターンあります。
耐熱加工を施していないものを高温化で使用すると、ドロッと溶けてしまいます。
ナイロン製のトングは、サラダ等熱していない料理を取り分ける時に使用するのがおススメです。
柄が操作しやすい長さであること
「トングの柄は長ければ長いほど使いやすい。」と思っていたら、それは大きな間違いです。
トングは基本的に柄が長くなればなるほど、先端でモノを掴むのに握力が必要となるからです。
どのようにトングを使いたいかを明確にし、適切な長さを選ぶ事が大切になります。
例えば、調理からとりわけまで幅広く使用したい人は、24㎝程度のトングを選びましょう。
「調理の時は長く持ち、食材を掴みたいときは短く持つ」といった、使い分けができるからです。
茹で上がったパスタなどを掴む場合は、28㎝程度の長さがおススメ。
長い柄が高温の食材から手を守ってくれます。
25cm〜30cmの間の長さで細かい物もちゃんとつかめて、手が疲れないことが選ぶ時のポイントです。
十分な耐熱性があること
揚げ物や焼き物で使用する時は、耐熱性があることが一番のポイント。
いくら耐熱性があるトングを選んでも、高温の油の中に入れっぱなしにすることや、ベーコンなどの油分の多い食材を長時間押さえつけるような使い方をすることはNGです。
トングの先が、溶けてしまう恐れがあります。
キャンプ飯を作っている時も、気を付けなければいけません。
大き目な肉をひっくり返したり、食材を炒めたりする時にはトングを使うと安定感が増し調理がはかどりますが、直接焚き火の火にあたり溶けてしまうかもしれません。
耐熱性の高いトングを選んでも、使い方には十分気をつけましょう。
収納しやすいこと
「トングは食材を掴むための道具です。」と先程説明しましたが、そのため可動域がどうしても必要で、先端部分が広がって収納場所を取ってしまいます。
キャンプの時は焚き火ハンガーにかけておくことが出来ますが、自宅では引き出しにコンパクトに収納したいものです。
先端を閉じる機構が付いたトングを選べば、そんな要望に応えてくれます。
トングの中には、先端部分の開閉ロック機能がついていたり、リング付きのモノもあります。
使う事ばかりではなく、収納性も考慮して選ぶようにしてみましょう。
焚き火で使用できるトング4選
食材を掴むときに使用するトングと、薪を掴むトング(火ばさみ)を2選ずつご紹介します。
どちらか片方だけゲットしても良いですし、両方ゲットするのも良いですね。
しっかりと吟味し、チョイスする時の参考にしてください。
ナイロントング/サーモス
この投稿をInstagramで見る
出典:instagram
サーモスと言えば魔法瓶や水筒をイメージしていますが、調理道具も扱っています。
サーモスのナイロントングは、使い易さ抜群です。
フライパンや鍋などのフッ素コーティングを傷つけにくいナイロン製。
軽い力で開閉でき、程よい反発力がGOODなトングです。
まるで手が延長したかのように、思いのままモノを掴むことが出来ます。
先端のナイロンは、耐熱加工を施し油汚れを簡単に落とせます。
しかし、ステンレス一体型に比べるとデコボコが多く、少し洗いにくいのが残念なポイント。
スタンド付きでキッチンを汚しにくく、ストッパーを引けばコンパクトに収納が出来ます。
重量も100gと軽く、キッチンはもちろんキャンプなどに使用するのに最適なトングです。
SPEC
サイズ:幅3.5㎝×奥行4㎝×高さ29㎝
重量:0.1kg
素材
先端:ナイロン
本体:ステンレス
サーモスのナイロントングの使い方の動画です。
どんな素材も掴みやすく、掴む以外にソースなどをすくうという機能も持ち合わせています。
出典:YouTube
ステンレストング/柳宗理
この投稿をInstagramで見る
出典:Instagram
「柳宗理 ステンレストング」は、インダストリアルデザイナーの柳宗理によってデザインされたトングです。
穴ありと穴なしの2タイプ展開しています。
インダストリアルデザイナーとは
自動車、家電製品、情報聞きなど、様々な製品の形状や色彩、スタイルなどをデザインする人の事を言います。
先端の面積が大きく、一度に多くのモノを掴めることができます。
丸みを帯びた持ち手が手に馴染(なじ)み軽い力で掴めるので、手に疲れを感じにくいのが特徴です。
ステンレス一体型のシンプルな形状のため、洗いやすさは抜群。
汚れを「サッ」と洗い流せます。
長さは22㎝と少し短めで、食卓においても邪魔にならないトングです。
SPEC
サイズ:4.7㎝×22.0㎝
重量:0.08㎏
素材:ステンレス鋼
柳宗理のステンレストングを説明している動画です。
どちらかと言うと、キャンプよりご自宅で使用した方が便利そうです。
出典:YouTube
薪ばさみ/LOGOS
この投稿をInstagramで見る
出典:instagram
親指と人差し指で一方のハンドルを操作し、もう1方は中指と薬指で操作する薪ばさみです。
手の大きい人なら問題なく使えますが、手の小さい人は握るのが少し大変かもしれません。
薪ばさみとしては王道の形です。
王道の形だからこそコスパもやサイズ感も良く、使いやすい薪ばさみとなります。
ロゴスの薪ばさみは、ヘビーユーザーやおしゃれに演出した焚き火台まで、どんな場面でもマッチします。
薪ばさみに迷ったらロゴスの薪ばさみを選んでおけば、まず間違いないでしょう。
SPEC
サイズ:42㎝×8㎝×2.5㎝
重量:330g
素材
本体:スチール
取っ手:木材
薪ばさみを使用している動画です。
トングと言うよりかは、名前の通り薪を挟む道具ですね。
出典:YouTube
タキビツールセットプロ/スノーピーク
この投稿をInstagramで見る
出典:Instagram
火ばさみ、火かき棒、ショベルがセットとなったアイテムで、「男の火遊び道具3点セット」と呼ばれることもあります。
クリップには全て、竹集成材と呼ばれる木材が使用されています。
竹集成材とは
平たい木材に加工した竹を接着剤で張り合わせた木材です。
通常の木材と比べ硬く丈夫で、キズが付きにくいのが特徴です。
竹の特徴を生かした取っ手が、本体のアイアン素材とマッチします。
グリップの先にはハンガーラック等にかける穴が開いていて、スノーピークの気配りを感じられるアイテムです。
統一感のあるデザインで、吊るしてインテリアとしても楽しめます。
取手がある鞄(かばん)型の収納袋がついて、3点セットが「スポッ」と入る大きさ。
デザインもよく電車でキャンプ場に行く際には、とっても重宝する収納袋です。
SPEC
サイズ:61.2㎝×16.4㎝×4.5㎝
重量:1.8㎏
素材:スチール
タキビツールセットプロを使用している動画です。
動画の中盤では、焚き火ツールセットを実際に使用しています。
3点セットにした理由がわかります。
出典:YouTube
【いまさら聞けない】焚き火に使用できるトングの種類とその使い方‼:まとめ
まとめとしまして
- 焚き火に使うトングはどんなもの?
- トングを選ぶ5つの条件
- 焚き火で使用できるトング4選
をご紹介してきました。
正確に言えば食材に使うトングと、焚き火に使用するトングは違うものです。
曖昧な知識でアイテムを使うと、大変な事が起きてしまうかもしれません。
正しい知識を身に着け、正しくアイテムを使用する。
これこそが、キャンプを楽しむ一番の方法ですね。