このような疑問にお答えします。
キャンプと言えば「山」のイメージがありますよね。
私も山が好きなので、よくキャンプします。
そんな山では、どこで焚き火ができるのでしょうか。
今回は山で焚き火がしたい方に向けて、どこで焚き火ができるのか。
また山で焚き火をする時に、どのようにしたら安全にすることができるのかをお伝えしていきます。
山での火の取り扱いをを知ると、登山をする時にも役に立ちますし、普段のキャンプでもより安全に焚き火をすることができるようになります。
山での焚き火のやり方を知って、楽しいキャンプを過ごしてくださいね。
目次
山で焚き火のできる場所とは?
山で焚き火をしたいと思っても、どこでもできるわけではありません。
山にちょっとした空き地があったとしても、許可なく焚き火をしてしまうと通報されてしまったり、最悪の場合火災の原因になってしまいます。
そんな疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
少しかたいお話になりますが、法律の観点から山での焚き火はできるのかをみていきましょう。
山での焚き火に関わる法律
そもそも焚き火は、
- 軽犯罪法
- 廃棄物処理法
- 消防法
を守ってその範囲でやらなければなりません。
軽犯罪法では以下の様な条項があります。
軽犯罪法
軽犯罪法第1条9号
「相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いた者」を拘留又は科料に処す。
引用:e-Gov法令検索より一部抜粋
また廃棄物処理法では以下の条項があり、これらを守る必要があります。
廃棄物処理法
第四章 雑則
(投棄禁止)
第十六条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
(焼却禁止)
第十六条の二 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの
第五章 罰則
第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
十五 第十六条の二の規定に違反して、廃棄物を焼却した者
引用:e-Gov法令検索より一部抜粋
そこに山での焚き火の規制として、
- 森林法
- 自然公園法
- 自治体の条例
- 国有林を管理している森林管理局のルール
を守る必要があります。
これらの法律を具体的にみていきます。
自然公園法
自然公園(特別保護地区)
第二十一条 環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の景観を維持するため、特に必要があるときは、公園計画に基づいて、特別地域内に特別保護地区を指定することができる。
3 特別保護地区内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。
六 火入れ又はたき火をすること。
七 木竹以外の植物を採取し、若しくは損傷し、又は落葉若しくは落枝を採取すること。
十一 前各号に掲げるもののほか、特別保護地区における景観の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
引用:e-Gov法令検索より一部抜粋
また森林法では、
森林法
第二百二条 他人の森林に放火した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 自己の森林に放火した者は、六月以上七年以下の懲役に処する。
3 前項の場合において、他人の森林に延焼したときは、六月以上十年以下の懲役に処する。
4 前二項の場合において、その森林が保安林であるときは、一年以上の有期懲役に処する。
第二百三条 火を失して他人の森林を焼燬きした者は、五十万円以下の罰金に処する。
2 火を失して自己の森林を焼燬し、これによつて公共の危険を生じさせた者も前項と同様とする。
第二百五条 第二十一条第一項又は第二十二条の規定に違反した者は、二十万円以下の罰金に処する。この場合において、その火入れをした森林が保安林であるときは、三十万円以下の罰金に処する。
2 第二十一条第一項又は第二十二条の規定に違反し、これによつて他人の森林を焼燬した者は、三十万円以下の罰金に処する。この場合において、その森林が保安林であるときは、五十万円以下の罰金に処する。
引用:e-Gov法令検索より一部抜粋
とあります。
また森林管理局では以下の様な制限をしています。
【国有林への入林(入山)を希望される皆様へ】
国有林におきましては、国有林を適切に管理していく上で支障等がないか確認を行うため、入林を希望される方に、原則として、入林届の提出等の事前の手続きをお願いしています。
また、入林者や国有林内で働く職員などの安全確保、森林生態系保全の観点等から問題がある場合には、立入を制限することもあります。
入林を希望される方で、下記の「入林手続が必要な場合」に該当するときは、入林予定の国有林を管轄する森林管理署・支署、森林管理事務所(以下「森林管理署等」という。)に入林届等の提出をお願いします。
ただし、レクリエ-ションの森、スキー場、野営場、林道(一般車両等の通行を禁止している場合を除く。)、登山道、歩道、広場、休憩小屋等の施設が設置されている場所に、登山や森林浴など森林レクリエーションの目的で入林される場合は、入林届の提出は不要です。
国有林に入林される皆様へのお願い
- タバコなどの火の始末に十分注意してください。野営場の決められた場合以外でのたき火はしないでください。
引用:関東森林管理局HP
このように国有林では野営場の決められた場所以外での焚き火が禁止されていますし、自然公園の特別保護地区でも焚き火が禁止されています。
禁止されている場所で焚き火をしますと、罰則対象ですし、環境破壊、山火事を起こす可能性があります。
許可されていない場所では、絶対に焚き火をしないようにしましょう。
ポイント
火気厳禁とされている山は、すべての火気が禁止です。
焚き火・火入れが禁止されている場所ではバーナーなどが許可されている場所もあります。
山で火気を扱う場合は、どこまでが許可されているのかきちんと確認しましょう。
焚き火ができないとしても、登山でバーナーが使えると便利ですよね。
筑波山は登山道は変わらず火気厳禁ですが、令和3年3月に新たに御幸ヶ原バーナーエリアが新設されました。
焚き火はできないものの、火気が使えると楽しみがふえるのでいいですよね。
ただしバーナーとはいえ、山での火の取り扱いは十分注意しなければなりません。
マナーを守って行いましょう。
焚き火ができる場所とできない場所
法律の観点から山で焚き火ができる場所をみてきました。
山で焚き火ができる場所とは
- 国有林の野営場
- 私有地で許可されている場所
となり、ここでは焚き火をすることができます。
私有地で焚き火の許可されている場所とは、
- キャンプ場
- 周囲に住宅がない私有地
などを挙げることができます。
きちんとルールを守り、火災への備えもきちんとしていたので、トラブルにはならなかったものの肝を冷やしたと言っていました。
このように山で焚き火をすると、周囲の人は「山火事かも。」と慌てさせてしまう可能性もあります。
焚き火をするのであれば、キャンプ場でするのが一番安心、安全にできるといえるでしょう。
焚き火ができない場所
- 国有林の許可されていない場所
- 自然公園
- 土地の所有者や管理者の承諾がとれない場所
- 周囲に住宅がある場所
- 周囲に燃え移る恐れがある場所
焚き火がしたい場所が決まっている場合は、その土地の所有者が焚き火を許可しているのかを確認しましょう。
所有者がわからない場合は、各自治体の役所に問い合わせると教えてくれます。
また土地の所有者が許可をしていても、周囲に住宅のある場所では煙が住宅へ行ってしまうとトラブルの元です。
住宅が近くにある場所や、周囲に燃え移る可能性がある場所では焚き火をしないようにしましょう。
ここまで山ではどこで焚き火ができるのかをみていきました。
そんな方へ、ここからは山での焚き火のやり方について、ご紹介いたします。
山での焚き火はどうやる?やり方とマナー
山での焚き火をしたい時に、できるのかどうかの確認の方法をご紹介してきました。
山で焚き火をする場合には、気をつけることや、マナーがありますので、焚き火のやり方をこれからお教えしていきます。
まずは焚き火に必要な道具ですが、山に限らず多くのキャンプ場で現在、直火での焚き火は禁止されています。
直火での焚き火は地面へのだイメージが大きいほか、残念なことにマナーが悪い方が増えていることが禁止の原因とされています。
焚き火をする際は、焚き火台を使用しましょう。
山での焚き火に必要な道具は、
- 焚き火台
- 火ばさみトング
- マッチやチャッカマン、ファイヤースケーター
- 薪
- 耐火グローブ
- 焚き火ウェア
- 火消し壺
- 耐熱シート
- 灰受けプレート
- 風防
- 斧
- 灰スコップ
- もしもの時の消火用の水
です。
山では風で火の粉や灰が舞ってしまうと、周囲に燃え移る可能性が高く、火災の原因になりかねません。
風防があると、火の粉が舞いにくくなるので安心です。
また地面へのダメージを避けるために、耐熱シートや灰受けプレートは必須アイテムとなります。
道具の準備ができたら、いよいよ焚き火を始めましょう。
以下の手順で行えば、安全に焚き火を行うことができます。
手順
- 焚き火台を置く場所を決め、設置する。
- 薪を用意する。
- 着火剤を用意する。
- 薪を組む。
- 実際に火を点ける。
- 後始末をしっかりする。
焚き火台を置く場所を決め、設置する。
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焚き火台は燃えやすいものから離して設置しましょう。
また焚き火台はキャンプサイトの風下、テントからは3メートル以上間隔を空け、焚き火台はおくようにします。
山での焚き火を擦る際は、火災に対する備えとして、消火するために水を用意しましょう。
また風が強い日は、火の粉が飛び火災になる可能性も高まるため、天候によっては焚き火を撤収することが大切です。
焚き火台を置く場所を決めたら、
- 耐熱シートを敷く。
- 焚き火台シートの上に、灰受けプレートを置く。
- 焚き火台を組み立て、設置する。
煙がテントの方へたくさん行ってしまうと、煙くて大変ですし、火の粉が飛ぶと危険です。
風向きはしっかり確認しましょう。
薪を用意する
火がつきやすくするために、薪の太さを3種類用意します。
- 細い薪 小枝、または割り箸程度の細さの薪。
- 中くらいの太さの薪 販売している薪の半分くらいの太さ。
- 太い薪 キャンプ場などで販売している薪。
山では小枝や落ち葉など、最初の焚付けに使えるものがたくさんあります。
近くに落ちていればそれらを使うのも、キャンプがより楽しめます。
ただし湿っていると煙がたくさん出てしまうので、乾かすか、乾いたものを使用しましょう。
着火剤を用意する
焚き火の最初の火種として着火剤を使用します。
着火剤は固形や、ジェル状など様々な種類があります。
私は最近、ファイヤーサイドの着火剤を愛用しています。
ボトルに小包装になった着火剤が入っているのですが、ボトルもおしゃれで気分も盛り上がります。
おすすめ着火剤
Fireside 着火剤
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ファイヤーサイドの着火剤は一つ一つが小さいながらも、炎が大きく、さらに火持ちもします。
薪を組む
薪を組む際は、誰でも失敗の少ない円錐型のティピー型がおすすめです。
火力の調節もしやすく、酸素が下から入りやすいため炎が安定して燃えてくれます。。
ティピー型(合掌型)の組み方
ティピー型は薪を円錐型にたてかけて組む方法です。
- 円錐の真ん中になる場所に、着火剤と細い薪や落ち葉などを入れる。
- その上に少し立てるように、中くらいの薪を入れる。
- 中くらいの薪の上に、太い薪で円錐になるよう薪を立てかけて組む。
YouTubeなどでも、薪の組み方を紹介している方がたくさんいらっしゃるので、参考になさってくださいね。
薪の組み方一つで、いろいろ楽しめるので、慣れてきたらこだわってみるのもおすすめです。
引用:YouTube
実際に火をつける
ここまで準備ができたら、着火剤に着火します。
空気がきちんと通るようになっていれば、着火剤から細い薪へと火は移り、安定して燃え始めます。
焚き火の炎が弱いと感じる場合、焚きつけ材になるものを足しましょう。
後始末はしっかりする
焚き火が終わった後は、きちんと後始末をしましょう。
灰は自然にかえらないため、キャンプ場のルールに従って処理し、捨てることが重要です。
耐熱シートに、灰をまとめて運ぶと楽に片付けることができます。。
また火消し壺を使うと、安全に早く鎮火できますよ。
おすすめ耐熱シート
ZEN Camps 焚き火シート
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ZEN Campsの焚き火シートは耐熱性もしっかりありますし、丈夫です。
またシリコンコーティングされているので、ちくちくしないのが嬉しい仕様でおすすめです。
おすすめ火消し壺
ユニフレーム 火消し壺SUS
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ユニフレームの火消し壺は機能性は十分ですし、ステンレス製なので、お手入れが楽々です。
このように基本的な焚き火のやり方は、他の場所での焚き火のやり方と変わりません。
ポイント
山では、落ち葉や小枝などの燃えやすいものも多いです。
ちょっとの火の粉でも火災の原因になりかねないため、十分注意することが必要です。
直火での焚き火ではないにしても、炉の高さの低い焚き火台ですと、地面へダメージを与える可能性もあります。
焚き火台シートを使うことも山での焚き火のマナーといえるでしょう。
ネイチャーストーブでの焚き火を楽しむ
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山での焚き火はせっかくなので、山にある落ち葉や小枝で楽しめたらいいですよね。
そんな時は最近アウトドア雑誌の付録でも付いてきたりと、注目されているネイチャーストーブを使うのがおすすめです。
ネイチャーストーブとは、基本的に販売されている薪や焚付けを使わず、自然に落ちている小枝や落ち葉、松ぼっくりなどを燃料として使う焚き火台です。
ネイチャーストーブの特徴
- 大きさも小さく、コンパクトで携帯しやすい。
- 燃焼効率がよく、簡単な調理も可能。
このような特徴があるため、ネイチャーストーブはソロキャンプをする方にもおすすめです。
ネイチャーストーブは小型で、地面と火が近くなります。
地面へダメージを与えないように、耐熱シートなどの対策をしましょう。
おすすめネイチャーストーブ1
ユニフレーム(UNIFLAME) ネイチャーストーブ
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ユニフレームのネイチャーストーブは軽く、組み立ても簡単、火力もあるのでちょっとした調理も可能です。
おすすめネイチャーストーブ2
ピコグリル85
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ピコグリル85のネイチャーストーブは、「さすがピコグリル。」と思わせる軽さとコンパクトさ、機能性を兼ね備えています。
私もソロキャンプ用にネイチャーストーブ購入を考えているのですが、購入するならこのピコグリル85にしようと思っています。
ネイチャーストーブはちょっと焚き火をしたい、荷物を軽くしたい、というソロキャンパーさんにもおすすめです。
せっかくの山での焚き火ですので、落ちている小枝などをつかってしてみるのはいかがでしょうか。
試してみたい!山でのキャンプ飯
山で焚き火で調理する時、どうしてもいつも同じような料理になりがちですよね。
凝った料理は材料が多かったり、手順も多くて大変だったりしてなかなかチャレンジしにくいです。
そんな悩みを持つ方に、簡単にできる、ちょっといつもと違う料理をご紹介いたします。
ベランダ飯さんの「メスティンでつくるレモンバターピラフ」
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材料
- フランクフルト (大2本)
- レモンの輪切り (2~3枚)
- コンソメ (キューブ、2/3個)
- バター (15g)
- 塩 (2つまみ)
- 水 (200ml)
- 米 (1合)
- 乾燥パセリ (お好みで)
- ブラックペッパー (お好みで)
作り方
- フランクフルトは浅く切り込みを入れ、米はといでおく。
- レモンは輪切りにしておく。
- シェラカップなどに水を入れ、火にかけ、温まってきたら、コンソメとバターを入れて溶かす。
- メスティンに米を入れ、3を注いだら塩を振り、レモンとフランクフルトを入れる。
- メスティンの蓋を閉めて、通常のメスティン炊飯と同様に炊きあげる。初めは強火で、吹きこぼれたらとろ火にし、10分ほど炊く。
- チンッチンッと音がしてきたら火からおろし、タオルなどで巻き、5~10分蒸らす。
- 仕上げに乾燥パセリとブラックペッパーをお好みでかけたら完成。
引用出典:ベランダ飯さんのInstagram
他にもベランダ飯さんは美味しいキャンプ飯を紹介しています。
おすすめキャンプ飯の本
ベランダ飯さんのレシピ本
ベランダ飯さんのレシピは、地域関係なく手に入れることのできる食材を使った料理なので、実際に試しやすいです。
どのレシピも美味しそうで、わたしも購入したレシピ本を参考に、キャンプ飯のレパートリーを増やそうと思っています。
山での焚き火はどこでやる?安全で楽しいやり方をお教えします!:まとめ
今回はまず山での焚き火がどこでできるのか、ということを法律の観点からご紹介しました。
山では
- 火災に対する備え
- 地面へのダメージ
などに配慮しながら焚き火することが大事です。
また山でさらに焚き火を楽しむために、
- ネイチャーストーブで焚き火を楽しむ。
- いつもと違う焚き火料理を楽しむ。
2つの方法をご紹介しました。
山でのキャンプは自然いっぱいで、さらに癒やされること間違いなしです。
マナーを守って、楽しいキャンプを過ごしてくださいね。