このような疑問にお答えします。
焚き火は、キャンプにおいて醍醐味ともいえますよね。
私は薪がパチパチと鳴るのを聞いたり、ゆらゆら揺れる炎を眺めて、癒やされています。
この記事では、焚き火で必要な「薪」はどんなものを使ったら良いのか、をお伝えしていきます。
焚き火をする際に薪の種類を使い分けると、火の管理もしやすくなり、効率的に焚き火をすることができます。
薪についてよく知って、もっと焚き火を楽しみましょう。
目次
何が違う?針葉樹と広葉樹の木の特徴
皆さん、薪はどんなものを使っていますか?
薪は種類によって色々特色があります。
その特色を生かして焚き火をすると、効率的に行うことができるようになりますよ。
まずは、薪の元となる木について知っていきましょう。
木は大きく2つの種類、
針葉樹
広葉樹
に分けることができます。
針葉樹と広葉樹では、
- 細胞
- 葉・年輪・特性
が違います。
この違いについて、詳しくみていきましょう。
細胞の違い
画像引用:ニシザキ工芸(株)塗装部 工房日誌 2
針葉樹と広葉樹では、同じ木でありながら細胞や組織が全く異なる造りをしています。
針葉樹
- 構造が単純、明快。
- きれいに並んだ配列が特徴。
- 組織の大半が仮道管*から成り立ち、必要な機能をまかなっている。
- この細胞の成長により、年輪が作られている。
*仮道管とは死んだ細胞のことで、円筒状の厚い細胞壁のみが残っている状態のことです。
仮道管は、
- 水分の輸送
- 機械的強度の確保
この2つの機能を持っています。
広葉樹
針葉樹に比べ、複雑な構造。
細胞の種類が多く、それぞれの機能ごとに分かれている。
それぞれの機能ごとに分かれた細胞は、
- 水分の輸送 ・・・道管(仮道管より太く、水分輸送効率が高い)
- 基幹的強度の確保 ・・・木部繊維
個別の機能を持った組織で構成されています。
細胞の種類が多いだけでも、複雑な構造なのですが、道管も木によって配列のパターンが違い、3つに分けることができます。
木の種類 | 配列 | |
環孔材 | クリ、ナラ、ケヤキ | 道管が年輪に沿って、環状に配列 |
散孔材 | ブナ、カツラ | 道管が、ランダムに散らばった構造 |
放射孔材 | カシ、シイ | 道管が、樹心より放射状に配列 |
手触りも環孔材は凹凸を感じますし、散孔材はすべすべと違いがあります。
葉・年輪・特性はどう違う?
針葉樹と広葉樹では、細胞から違うことがわかりました。
そのため木の見た目や特徴も、異なってきます。
針葉樹 | 広葉樹 | |
種類 | 約500種 | 20万以上 |
葉 | 平たく細長い形状、先が尖っている | 平べったく、表裏がある |
年輪 | 濃淡はっきりした年輪 | 環孔材 濃淡はっきりした年輪
散孔材 淡い色の年輪 |
成長の早さ | 早い | 遅い |
樹形 | 縦に成長 | 横に広がるように成長 |
硬さ | 柔らかい | 硬い |
根 | 縦に根をはる | 横に広がるように根をはる |
このように針葉樹と広葉樹では、見た目も大きく違います。
葉の違い
特に針葉樹と広葉樹で違いがあるのが、「葉」であると言えます。
針葉樹
- スギやマツのように、葉が針状に尖っている。
- 冬でも葉が落ちない常緑樹が多い。
広葉樹
- 平べったい葉が多く、裏表がある。
- 丸みがあるものから、尖ったものまで様々な形状がある。
- 秋に葉を落とす落葉樹と常緑樹どちらもある。
秋に葉を落とす落葉樹は、紅葉を楽しむことができますね。
最近知ったのですが、紅葉する落葉樹の「いちょう」は針葉樹なんです。
常緑樹が多く、葉の鋭い針葉樹のなかでは、珍しい木と言えますね。
成長の違い
針葉樹と広葉樹の特性として、成長の違いも挙げることができます。
針葉樹
- 成長が早い。
- まっすぐ縦に成長する。
- 材質は軽くて柔らかい。
- 色味は明るい色が多い。
広葉樹
- 成長に時間がかかる。
- 横に大きく成長する。
- 緻密で重く、硬い。
- 色味は明るい色から暗いものまで様々。
日本では戦後の「拡大造林政策」として、成長の早いスギなどの針葉樹が多く植えられました。
そのため雑木林では、針葉樹を良く見かけるのですね。
私たちの日常では、それぞれどう使われているの?
針葉樹と広葉樹、それぞれの特性を生かし、私たちの家や家具などに使われています。
針葉樹
- まっすぐ成長するため、長い木材をとるのに適している。
- 柱や梁などの構造材として重宝。
- ソフトウッドと呼ばれ、傷は付きやすいが、加工はしやすい。
広葉樹
- ハードウッドと呼ばれ、重くて強度があるため、傷が付きにくい。
- 美しい木目を生かし、家具や床材などとして重宝。
- 硬く、まっすぐ成長しないため、長い木材をとるのには適していない。
ここまでお伝えしてきたように、針葉樹と広葉樹では、違いがたくさんあります。
そのため焚き火をする際にも、使い分けると効率がよくすることができます。
そこでここからは、特徴をいかした焚き火の仕方をご紹介したいと思います。
薪にはどんな違いがある?特徴と違いをみてみよう
ここまでは薪の元となる木について、お話してきました。
そんな疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
ここからは薪としての「針葉樹」、「広葉樹」の違いについて、お伝えしていきます。
薪としての「針葉樹」と「広葉樹」の違い
薪として、「針葉樹」と「広葉樹」はどう違うのでしょうか。
違いを見てみましょう。
針葉樹
- 燃えやすいが、火持ちは悪い。
- 柔らかいため、薪割りしやすい。
- 軽い。
広葉樹
- 燃えにくいが、一旦火がつけば火持ちはよい。
- 硬い木が多いため薪は割りにくい。
- 重い。
という特徴があります。
これは木が含んでいる、空気の量に関係しています。
木を構成する細胞間には、無数の孔=空気の隙間が空いています。
細胞と空気の隙間の割合を、空隙率(クウゲキリツ)といいます。
針葉樹は空隙率が高いため、火付きがよくなります。
多くの広葉樹は空隙率が低く、密度が高いため、火が付きにくいのです。
このように針葉樹と広葉樹では、薪にも違いがあります。
また木の種類によっても、薪の持つ特徴は違います。
針葉樹の薪
焚き火をする際、火付きが良い針葉樹は、最初に使うのがおすすめです。
よく使われる針葉樹の薪は
- スギ
- ヒノキ
が挙げられます。
スギ
- 間伐材として、市場に多く出回っているため低価格で、ホームセンターやキャンプ場で販売されている。
- 火おこしが簡単、火持ちはよくない。
ヒノキ
- 灰がすくないので、後片付けも簡単
- 火持ちしないので、着火剤として使うのがおすすめ。
- ヒノキは独特の香りがするので、香りを楽しむのもおすすめ。
荷物の削減にもなりますし、キャンプ場にも貢献できますね。
キャンプ場で販売していない場合は、ホームセンターやネット通販で購入することができます。
おすすめの針葉樹の薪
薪 焚火用 日本産ひのき 約17cm
針葉樹らしく、火の着きが良いので、焚き付けに最適です。
またサイズも小さいので、小さい焚き火台でもはみ出さずに使うことができます。
広葉樹の薪
火持ちが良い広葉樹は、長時間焚き火をする際に大活躍。
以下のような薪がおすすめです。
- ナラ
- カシ
- クヌギ
- サクラ
- ケヤキ
広葉樹の薪は種類が多彩なので、特徴も様々です。
特徴を生かして、焚き火を色々と楽しむことができます。
ナラ
- 火の移りが良いので、細い枝から着火することができる。
- 火持ちがいいので灰も少ない。
カシ
- 着火がしにくい。
- 乾燥している薪は割りにくい。
- 火力と火持ちがよい。
- 値段が高め。
- 煙が出にくいので、煙の臭いがつきにくい。
クヌギ
- 火の付きもよく、火持ちもいい。
- 密度が高い木で硬い。
- ほのかな香りが心地よく、煙も少なめ。
サクラ
- 燃やすといい香りが立ち上がる。
- 火持ちはカシなどに比べると長くはないが、火持ちはまあまあ。
- 細く薪を割ることができる。
- 料理するときにも、料理にいい香りが移って美味しくできる。
ケヤキ
- 薪が硬く割りにくい。
- 一度着火さえできれば長時間燃えてくれるため、経済的。
- 炎が青みがかってきれい。
- においがちょっと苦手な人もいる。
このように広葉樹は、元々20万以上の種類があるので、薪も特徴が様々です。
お気に入りの薪を見つけてみるのも楽しいですよ。
おすすめ広葉樹の薪
広葉樹の薪 ソロキャンプ用 (焚付け付き)薪の長さ約17cm
こちらの薪は、最初から焚き付け用の細い薪も入っているため、バトニングしなくても焚き火を始めることができます。
効率的に焚き火をしよう!
焚き火をする際、薪の特徴を生かし、使い分けると簡単に火付けができますし、火の持ちも良くなります。
そんな方に向けて、薪を使い分けて焚き火をする際の手順をご紹介いたします。
手順
- 針葉樹と広葉樹の薪を用意する。
- 着火剤を用意し、針葉樹の薪を組む。
- 火が安定したら、薪を広葉樹に変えていく。
- 後始末はきちんとする。
針葉樹と広葉樹の薪を用意する
焚き火をする際は針葉樹で始め、広葉樹に変えていくのがおすすめです。
焚き付け用の針葉樹の薪は、
- 細い薪 小枝、または割り箸程度の細さの薪。
- 中くらいの太さの薪 販売している薪の半分くらいの太さ。
- 太い薪 キャンプ場などで販売している薪。
を用意しましょう。
火が安定してきたら、広葉樹の薪に変えていきましょう。
広葉樹の薪は
- 中くらいの太さの薪 販売している薪の半分くらいの太さ。
- 太い薪 キャンプ場などで販売している薪。
を用意します。
おすすめナイフ
モーラナイフ Morakniv Companion Spark
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薪のバトニングから、フェザースティック作成はもちろんのこと、ファイヤースターターがついているので、着火まで一本でできるところが良いです。
着火剤を用意し、針葉樹の薪を組む
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最初は、着火剤と細い針葉樹の薪を組みましょう。
薪の組み方は、並列型がおすすめです。
並列型は単純な構造のため、組みやすいですし、薪の追加もしやすいですよ。
並列型の薪の組み方
- 一番下に枕木となる薪を置きます。
- 着火剤、フェザーステックを1の枕木の上に載せます。
- 1の枕木の上に並列になるよう、薪を重ねていきます。
着火時には、広葉樹は使わないのがポイントです。
火が安定したら、薪を広葉樹に変えていく
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針葉樹に火が付いて安定したら、広葉樹の薪に変えていきましょう。
その際も、中くらいの太さの薪から入れると、火の移りが良くなります。
針葉樹から広葉樹に火が移ると、煙や火の粉が少なくなります。
また広葉樹は針葉樹に比べ、火持ちが良いので、薪の消費を抑えることができますよ。
注意
薪は乾いたものを使用しましょう。
十分に乾いていない薪は、なかなか燃えてくれないだけでなく、煙もたくさん出てしまうため、周りにも配慮が必要です。
おすすめ薪ラック
BUNDOK 薪キャリースタンド
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バンドッグの薪キャリースタンドは、スタンド部分がしっかりしているため、薪を置いても安定感があります。
また薪をキャンバス地にくるんで持ち運ぶことができるのもおすすめポイント。
また薪ラックを使うことで、地面の湿気も吸わず、乾いた薪を使うことができるのでとても重宝しています。
後始末はきちんとする
焚き火をする際は、終わりの時間にも注意しましょう。
まだまだ元気に燃えている薪は、自然に消火するまでかなり時間がかかります。
広葉樹は1時間以上は燃え続けるため、撤収時間の2時間前には、薪を足すのをやめておくのがベターです。
焚き火は自然に消火できるのが一番良いのですが、どうしても燃え切らなかったり、灰や炭に熱が残っていないか心配だったりしますよね。
そんな時に役立つ消火の方法をご紹介いたします。
火消し壺
火消し壺がある場合は、その中に入れて消火しましょう。
密閉することで、簡単に消火することができます。
火消し壺は熱くなるため、温度が下がるまでは触らないようにし、火傷には気をつけましょう。
おすすめ火消し壺
ロゴス ポータブル 火消し壺
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ロゴスの火消し壺は、携帯性も高いため使いやすいです。
耐熱性もよく、蓋を軽く閉めるだけで火が消え、蓋を閉めればこぼれる心配がありません。
安心して使うことができる火消し壺です。
残った炭の保管にも使え便利ですよ。
1本ずつ水につける
火消し壺がなく、早く消火したい場合は、以下の方法で消火することができます。
- バケツにたっぷり水を用意する。
- 一本ずつ薪を水につける。
- 燃えていない木の部分にも、しっかり水がしみこむまでつけます。
表面だけ水につけても、芯に熱が残っていると危険です。
注意
焚き火台に直接バケツで水をかけたり、大量に薪を水につけたりしてはいけません。
水蒸気や灰が舞い上がるため、危険です。
また焚き火台のゆがみや故障の原因にもなります。
絶対にやめましょう。
また灰や炭は自然に還りません。
消火した灰や炭はキャンプ場の指示に従って処分しましょう。
薪の使い分けをしてもっと焚き火を楽しもう!そのやり方を大公開:まとめ
今回は薪の種類とその使い分けについてご紹介しました。
針葉樹は火付きがよく、火持ちしない。
広葉樹は火付きは良くないが、火持ちする。
この特徴を生かして、薪を使い分けると、効率よく焚き火をすることができます。
是非皆さんも針葉樹と広葉樹、さらに薪の木の種類にもこだわって、焚き火を楽しんでみてくださいね。
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